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「今日からチームジャパン」リオパラリンピック日本選手団が結団式・壮行会

主将に車椅子バスケットボールの藤本、旗手に車いすテニスの上地

日本パラリンピック委員会(JPC)は2日、都内のホテルでリオ2016パラリンピック競技大会に出場する日本代表選手団の結団式・壮行会を開催した。

来賓やVTRからのメッセージを受け、決意を新たにした選手たち。主将を務める車椅子バスケットボールの藤本怜央は「パラリンピックには4度目の出場になるが、この主将という大きな役割をいい緊張感に変えて挑みたい」と言い、旗手で車いすテニスの上地結衣は「パラリンピック出場と、金メダルを獲ることが車いすテニスを始めた頃からの最大の夢であり目標。ぜひ今回のリオで達成したい」と意気込みを語った。

日本選手団の選手数は127人で、15人の競技パートナーなど合わせて225人を派遣する。

大槻団長「次の開催国としてリオで好成績を」

結団式では、まず相模原市の障がい者施設で発生した殺傷事件を受けて、出席者全員が被害者に黙祷を捧げた。

主催者挨拶に立ったJPCの鳥原光憲会長は、「選手の皆さんは日本代表としての誇りと自覚を持ち、それぞれの目標に積極果敢に挑戦し、輝かしい成績を挙げてほしい」と挨拶。その後、日本代表選手団一人ひとりの名前が読み上げられた。

そして、JPCの鳥原会長から、日本代表選手団の大槻洋也団長へ団旗が手渡され、大槻団長から旗手の上地結衣に団旗が授与された。

続いて、来賓の祝辞として馳浩文部科学大臣が「リオ後は、合同パレードを企画している。オリンピアンと一緒に銀座をパレードしていただけるよう、いい成績を残してほしい」と激励した。

リオ大会は、スポーツ庁が設置されてから初めてのパラリンピックで、東京パラリンピックの直前の大会。大槻団長は、「金メダル10個が目標。東京で好成績を残すため、リオで結果を残さなければならない。今日からチームジャパンのスタートです」と力強く挨拶した。

壮行会で安倍晋三首相のビデオメッセージ、次世代アスリートや子どもたちからエールを受けた日本代表

安倍晋三首相のビデオメッセージなどが上映された壮行会。子どもたちや次世代アスリートがエールを送った

結団式を終えた選手たちの言葉

陸上競技の走り幅跳びで金メダルを目指す山本篤は、報道陣に現在の心境を聞かれ「4年前と同じ、この場にようやく戻ってきた。また(パラリンピックが)この場所から始まる。(メダルを獲れず)悔しい思いをしたが、リオでは楽しく競技をしていい結果を出したい」と決意表明。2大会ぶりのメダル獲得を誓った。

車いす陸上の土田和歌子は、夏冬合わせて7度目のパラリンピック出場となる。「アテネ大会で(トラックの)5000mで、金メダルを獲っているので、今回はマラソンで金メダルを獲りたいと思い、マラソン一本に絞りました」と覚悟を口にした。

同じく陸上の日本代表で、今回が初出場となる辻沙絵は、「初めてなので何もわからない分、いっぱい暴れてこようかなと思う。400mではメダル獲得、100mと200mはファイナルに進出し、少しでも上の順位を目指したい」と目標を語った。

団体競技で最もメダルに近い位置にいるのは、ウィルチェアーラグビーだ。エースの池崎大輔は、チームの仕上がりに自信を見せつつ、「パスミスは失点につながるので、残りの期間、チームでパスの精度を高めていきたい」と気を引き締めていた。

また、「金メダルを獲れるだけ獲りたい」とコメントしたのは、水泳(視覚障がい)の木村敬一。複数種目での金メダル獲得が期待される。「まだまだできることはいっぱいある。最後の準備をしっかりやりたい」と続けた。同じ水泳で、初出場の一ノ瀬メイは「個人メドレーは課題のターンでタイムを縮め、全種目、自己ベストを出したい」と笑顔で語った。

日本代表選手団の目標は、金メダル10個

この日、最後に行われた記者会見には、(写真左から)中森邦男副団長、櫻井誠一副団長、大槻団長、藤本主将、上地旗手が出席した。

大槻団長は金メダルを期待している選手について、水泳の木村、鈴木、陸上の山本篤、車いすテニスの上地、国枝の名前を挙げ、日本選手団の特徴を「新旧交代の時期の代表」とした。藤本主将は「この素晴らしい場で皆様の前で決意表明できたことを感謝している。ここを日本代表選手団をスタートとし、残り一か月悔いのないように準備をしてリオに向かいたい」と述べた。

現地時間9月7日から18日まで開催されるリオパラリンピック。日本は22競技中17競技に出場。金メダル10個と世界ランキング10位を目標に掲げている。

主将挨拶の大役を終え、ほっとした表情の藤本

主将挨拶の大役を終え、ほっとした表情の藤本

選手団最年少は17歳の鳥海連志(車椅子バスケットボール)

選手団最年少は車椅子バスケットボールの17歳、鳥海連志

前回金メダルのゴールボール女子日本代表

前回金メダルのゴールボール女子日本代表

初出場ながらメダルが期待される陸上の佐藤友祈

初出場ながらメダルが期待される陸上の佐藤友祈

ボッチャチームのキャプテンを務める杉村英孝

ボッチャチームのキャプテン杉村英孝も笑顔

子どもたちへのメッセージを聞かれ藤本と上地は「テレビの前で日本代表にエールを送ってほしい」と話した

記者会見で応答する藤本(左)と上地

text by Asuka Senaga

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