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【車いすテニスPREVIEW】各カテゴリ混戦模様も、複数のメダル獲得が期待できるニッポン!

日本から3クラス9選手が出場

車いすテニスには、男子・女子・クァード(3肢以上に障がいがあるクラス)の3つのクラスがある。それぞれシングルスとダブルスが行われ、日本からは男子4選手、女子3選手、クァード2選手が出場する。前回のロンドンパラリンピックで日本が獲得したメダルは、国枝慎吾のシングルスの金メダル1個だったが、今回のリオでは各クラスで表彰台、つまり複数のメダル獲得が期待できる。

男子は国枝の前人未到の3連覇なるか!?

男子は、シングルス2連覇中の国枝に関心が集まる。4月に手術した右ひじの状態は、「完全ではないものの、仕上がってきた」と国枝。ウィンブルドンを欠場し、国内での調整を経て臨んだ8月末のバーミンガム・クラシック(カナダ・トロント)では、第1シードで見事優勝。大会規模はさほど大きくないものの、全仏オープン以来の実戦を最後まで戦い抜いたことは、リオへの自信につながったはずだ。

とはいえ、群雄割拠の様相を呈している男子。国枝の前には強力なライバルたちが立ちはだかる。世界ランク1位でロンドン大会銀メダリストのステファン・ウデ(フランス)は今大会の優勝候補筆頭。ラリーの駆け引きに長けた試合巧者が、悲願の金メダル獲得に自信をみなぎらせている。

また、今年の全豪とウィンブルドンを制して勢いに乗る左利きのゴードン・リード(イギリス)、強烈なサーブを武器に世界ランク2位まで登りつめたヨアキム・ジェラード(ベルギー)、全仏王者のグスタボ・フェルナンデス(アルゼンチン)ら20代の選手が「打倒クニエダ」を目指してリオに乗り込む。今回、世界ランク7位でリオを迎える国枝は、早い段階でこうした強敵らと対戦する可能性があり、厳しい戦いになることは間違いない。ベスト8、ベスト4の壁をどう突き破っていくか、スコアの数字だけでなく、そのプレーの内容にも注目したい。

2度目の出場となる眞田卓は世界ランク9位。世界屈指の威力を誇るフォアハンドで世界に挑む。ケガの影響で一時期調子を落としていた三木拓也も、世界ランク10位まで復調し、上位進出が狙える位置にいる。日本の車いすテニス界のパイオニアでアテネ大会ダブルス金メダリストの齋田悟司も健在。総合力の高い男子は、シングルスはもちろん、ダブルスでもメダル獲得が期待できそうだ。

実力接近! 混戦模様の女子を制するのは?

年々競技レベルが向上している女子は、世界ランク1位のイエスカ・グリフィオン、4位のアニク・ファンクート、5位のマジョレーン・バイスら、オランダ勢が席巻する。そこに、日本のエース・上地結衣が2位に割って入り、存在感を放っている。上地は高校3年で出場したロンドン大会はベスト8。

その後、プロの車いすテニスプレーヤーに転向し、今回は金メダル候補のひとりと言われるまで成長してきた。その上地が強化してきたのが、バックハンドのトップスピン。強い筋肉が必要で、車いすを操作しながらこの力強いショットを打ち込むのは女子選手では至難の業で、実際に使いこなせる選手は少ないが、上地はハードな体幹トレーニングをこなし、習得しつつある。持ち前のメンタルの強さも大きな武器で、日本女子初のメダル獲得に期待がかかる。他に、二條実穂、堂森佳南子が出場。ダブルスはロンドン大会でベスト8に入った上地と堂森が再び組むことが有力とみられる。

クァードの諸石・川野組が虎視眈々と狙う表彰台

クァードは諸石光照と川野将太が出場。今回、ふたりがペアを組むダブルスにメダルの期待が高まる。ロンドン大会は4位。あと一歩」の悔しさを糧に、この4年間はショットの正確性と戦術に磨きをかけてきた。

その成果が表れたのが5月の世界国別選手権で、準決勝でパラリンピック3連覇中の世界NO.1ペアであるニック・テイラー/デビッド・ワグナー組(アメリカ)に、粘りのプレーで競り勝った。最強の相手から奪った金星は「大きな自信になった」(川野)。強化が花開き、さらに進化したふたりのプレーは必見だ。クァードには、握力がなく、手とラケットをテーピングで固定している選手もいる。確かにボールの威力は少ないが、その分、相手の動きの特徴を見極めてスペースを作る頭脳的なプレーは見ごたえ十分。リオではクァードのテニスの醍醐味もぜひ堪能してほしい。

text by Miharu Araki , photo by X-1

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